専門学校とは
専修学校制度
専修学校は昭和51年の学校教育法の一部改訂によって発足した学校群です。
学校の目的は「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的として次の各号(省略)に該当する組織的な教育を行うものは、専修学校とする」(学校教育法第124条・抄)として、さまざまな分野のスペシャリストを育成しています。
専修学校には3つの課程がありそれぞれの入学資格が異なっています。
□専門課程 高等学校卒業もしくはこれと同等以上の学力があると認められる人が入学
□高等課程 中学校卒業もしくはこれと同等以上の学力があると認められる人が入学
□一般課程 特に入学資格は設けられていない(学校独自の要件が設けられている場合あり)
専修学校の専門課程
この専門課程を持つ学校が「専門学校」と称することができます。
修業年限は2年間を中心に、1~4年間といろいろで、短大や大学と同じ高等教育機関です。
専門士
専門学校における学習の成果を適切に評価する制度として創設。1995年(平成7年)の春から、文部科学大臣が認めた2年制以上の専門学校(学科)の修了者にこの称号が付与されています。
大学への編入学 1999 年(平成11年)の春から、「専門士」の称号が付与された者は、短期大学卒業者と同等以上の学力があると認められる者として、大学への編入学の資格が与えられています。
高度専門士
一定の基準を満たした4年制の専門学校修了者に付与される称号。2006年(平成18年)の春から文部科学大臣が認めた4年制専門学校(学科)の修了者に付与されています。
大学院入学資格 「高度専門士」の称号が付与された者は、2006年(平成18年)の春から大学卒業者と同様に大学院入学資格が付与されています。
職業実践専門課程
2014年(平成26年)4月から、専門課程の中で次の条件などを満たしている学校(学科)を職業実践専門課程として文部科学大臣が認定しています。社会の中核として活躍できる専門人材を養成する高等教育機関と言えます。
①企業などが参画する「教育課程編成委員会」を設置して教育課程(カリキュラムなど)を編成
②企業などと連携して、実習や演習などの授業を実施している
③企業などと連携して、最新の実務や指導力を修得するための教員研修を実施している
④企業などが参画して、学校評価を実施している
⑤学校のカリキュラムや教職員などについてホームページで情報を公開している
専修学校の高等課程
専修学校制度の高等課程を持つ学校が「高等専修学校」と称することができます。
修業年限が3年の高等課程を修了した者は、専修学校の専門課程への入学資格が認められます。
さらに、一定の要件を満たした高等課程の3年コースを修了した者は、大学の入学資格に関して高等学校と同等に認められています。
専修学校の一般課程
一般課程は、中学校や高校の教育との継続性をとくに規定していない課程で、専門課程や高等課程のような進学コース的な意味合いは薄い課程です。つまり、この課程の入学資格として中卒とか高卒とかの限定をしないものです。広く生涯学習の場として活用されることが期待される課程です。
各種学校
認可のための年間授業時数が680時間以上と専修学校に比べて少なく、また、修業年限は簡易な技法にあっては3ケ月以上と短くなっています。准看護師を養成する学校のほかに、特に学歴に関係なく学ぶことができる場合が多いことが特徴です。そのため、幅の広い年齢層が学ぶ生涯学習の場であるといえます。大学生が情報処理の学校へ通ったり、高校生がパソコンの学校へ通ったりして、いわゆるダブルスクールとして活用されたり、修業年限を限定しないで、珠算、美術、音楽、パソコン、料理などの技術を修得するまで学ぶ場としても役立っています。
各学校と進路の関係

混同されやすい学校
世の中には、これらの専修学校や各種学校と混同されやすい学校があるので注意しましょう。
高等専門学校
中学校を卒業した者が入学する5年制の専門技術等を学ぶ学校です。一定の要件を満たす学校を卒業した後、大学3年に編入することができます。
高等技術専門校
職業能力開発促進法に基づく職業訓練施設で、労働者のために職業に直接結びつく即応的教育を行っています。人格形成と専門技術教育の基礎を徹底した上で高度な内容を学ぶ専修学校とは若干教育内容が違っています。
認可校と一般社団法人埼玉県専修学校各種学校協会
専修学校や各種学校は、学校教育法、専修学校設置基準、各種学校規程などに基づいて、文部科学大臣や埼玉県知事等により認可された正規の学校です。認可されることにより埼玉県からの補助金や施策の対象となり、指導や検査等も受けることになります。
また、正規の学校として認可されることにより、専門士や高度専門士、大学編入学や大学院入学資格を付与できる学校ともなります。
埼玉県の認可校の多くが、一般社団法人埼玉県専修学校各種学校協会(埼専各:さいせんかく)に加入し、県民に対して責任を持って、質の高い教育活動を実施しています。埼専各では、教員研修、教育相談、資格取得奨励や表彰、学生・教職員の福利共済、人材育成や雇用訓練、広報等を実施し、会員校の教育力向上と専門教育振興に努めています。
また埼専各会員校では
1 専修学校教員研修・認定を受けた正規の教員が指導している
2 技術や資格取得のための実習や実務経験先が得やすい
3 対外的な活動(スポーツの対外試合、文化活動の発表、顕彰表彰等)ができる
4 産業界や高校、地域との連携活動に参加しやすい
5 学習活動中の傷害事故に対する保険加入・補償を受けられる
といった特典があります。
認可校と無認可校の違い
